雪だるま物語 [雪だるま]
2016年、雪だるまを売りたいと思い、1年半がかりで作るノウハウを研究し、冷凍庫を
借り、一年中発送できるように準備した。2017年200個の雪だるまを作り冷凍庫収納
が、注文はほとんど来ず、自分たちの手間代は別として、毎月払う貸し冷凍庫代で赤字。
その他に備品作りの材料や発泡スチロール代も加わり、大赤字であった。
ヤフーショッピングで売るように手配したけど、さっぱり反応がない
喰い付いて来るのは業者だけで、売ってやるからマージンはいくらくれると・・・
何も作らないのに送りもしない仲介なのに半分も取ろうとする。嫌になった
ある時、雑誌者に目が止まり、結構大きく載ったが、その時だけのちょっとのブレーク。
辞め時を考えていたが、冷凍庫代より自分の考えたノウハウ研究がもったいなく、そのまま。
野菜冷凍が多くなったので、雪だるまを少しずつ処分して行った。
そしつい先日、4年前の雪だるまを全部処分することにした。
最後に全部並べて写真を撮ろうと、ひげおじさんが庭の雪山に並べた。
この時だけはお日様が射して、ニコニコ顔の雪だるまは「暑い」と悲鳴をあげる。
あっという間に溶けて、出目になり、目が取れて、可哀そうな状態に・・・
4年冷凍庫に入れて置くと、乾燥痩せで、細い雪だるで売れなくなる。
本当はサプライズ用に頭の上に穴をあける工夫をしたが、誰もいらないという。
普通の雪だるまが欲しいというので、結局は作って送っていたのだ。
ヤフーショッピングもライト会員が無くなったので、自然に消滅になった。
私のホームページは半端臭い書き方で、売ってるか売ってないかわからない紹介の仕方。
もう辞め時を考えていたが、どうも雪だるまを売ってた北海道の業者さんもやめたようで
ネットで調べると家の雪だるまにたどり着いて、今も作ってますか
という問い合わせが、昨年から来るようになった。それもクリスマスがプレゼント時
夏に雪だるまあったら、涼しいだろうと思ったけど、誰もそれは求めてないらしい。
今冬も12個送った。ヤフーを通してないので問い合わせも直になり、送り手側の顔が
見えて、贈る人のサプライズする気持ち、贈られた人の喜びが見えて、楽しい
私なりにいろんな想像を巡らし、送り手と会話する事で「見えるプレゼント」を感じた。
九州の幼稚園に送り、園児たちが喜んでいる写真を頂いたり、青森出身で青森の雪だるま
を贈りたいと3つ頼んでくれた方も送った雪だるまをを見て、可愛いと喜んでくれた。
クリスマスカード(事前に家に送ってくれた)を入れて、東京の娘さんと友達家族へ・・・
帰国子女が雪だるまと遊びたいと言ったのでプレゼントしたいと六本木へ送った。
贈る側の思いと贈られる側の思いが、絵本の物語のように伝わって来て妄想が膨らむ。
電話での問い合わせで、病気の孫が雪だるまで遊んでみたいというので、クリスマスに
クールで送る最大のサイズ(120サイズ)で特注の雪だるま女の子用、男の子用2つ送った。
特注になるとノウハウがないので、考えながら箱の入る最大の大きさに作る苦労がある。
目も眉毛も帽子もマフラーもその雪だるまに合わせて工夫して作る。
なので、かなり時間が掛かるが、喜んでいる孫ちゃん達の顔が浮かんで来る。
困ったのは、ちょうど入る発泡スチロールが売ってなく、前に貰ったので代用した。
ひげおじさんの病院の帰り、電話が掛かって来て、そのお孫さん4歳の女の子が
亡くなっしまったと・・・ 天国でも遊べるようにと特注の雪だるまを再注文。
多分葬式の時か火葬の時、一緒に葬ってあげたいと思ったのかな
注文は嬉しいけど、その女の子を想像しながら、とても悲しくなってしまった。
今日、その雪だるまを制作した。。。女の子用の優しい顔立ちの雪だるまに・・・
ひげおじさんなでなでしながら一生懸命作る。もう雪だるま職人
隙間に小さいのも2つ作って入れ、全部で3個。。。紅玉で夏用のシャーベットを
作っていたので、それも2個一緒に入れた。私の気持ちでお供えしてあげたかった
発泡スチロールに、動かないように入れたら、まるで雪だるまが女の子に見えて来た。
悲しいけど、せめて天国で雪だるまと一緒に楽しく遊んで欲しいなと願いを込めて
雪だるまには、いろんな人の思いや物語があるんだなぁ~って、思った。
ヤフーに載せてた時には感じる事が出来なかった贈る人の気持ちと贈られる側の喜び。
やめようと思ったけど、雪だるまを介して、こんな心温まる交流が出来るのならば、
細細とでも、続けようかなと思えるようになった。
商売としてより、手作りという心を込めて作る思いや、贈る人の贈られる人の気持ちが
垣間見られる、この「雪だるま物語」をもっと見たいなと・・・
この雪国の大変で 苦しくて 邪魔でならない雪が少しでも役立つなら、もう少し頑張ろう
雪国でなければ出来ない綺麗な雪で、可愛い雪だるまを作って送ってあげたい
今まで冷凍庫に200個とか作ってストックしてたのを10~20個位で、様子をみる。
冷凍庫は-38℃なので、野菜や加工食品を入れるためにそのまま借りて置く。
家庭用の冷凍庫よりずっと精度が高いので、全然持ちが違う。
やっと自分に納得してケリを付けた。
2022-01-08 16:29
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コメント(7)
「作家根性」がおありとお見受け。
元気の素、かも。
by 夏炉冬扇 (2022-01-08 18:10)
病気のお孫さんのエピソードで泣きました。
mutuminさんのメッセージが素敵で。
どの雪だるまも、作り手も受け手も顔が見えるというか、
何で必要か・・・どうしてあげたいか、
そういう暖かい思いとやりとりが良いですね。
by まほ (2022-01-08 19:37)
mutuminさんを尊敬しますわ。
by HOTCOOL (2022-01-09 07:52)
このボランティア精神が素晴らしいです。
『雪だるま物語』がいつか童話になるかもね。
by paulo (2022-01-09 08:49)
何でもできるスーパーマンのヒゲおじさん。
雪だるまもヒゲおじさんが製作していたんですか!
本当に凄いなあ。最強コンビですね♪
事業としての雪だるまは、多忙を極めるような注文量になれば
恐らくは機械化して作る業者が現れます。
すると価格も下がり、個人でやっていてはとても合わなくなる。
年間20個レベルなら、逆に誰も手を出さないから独占です。
その量を是とするか非とするか。ここが分岐点でしょうね。
そして、それで納得して前に進めるかどうか。
ただ、そんなことは抜きにしてひとつだけ言えるとしたら、
mutuminちゃんの人生哲学は、陶器教室にしろランチにしろ
この雪だるまにしろ、全部同じ筋金がビシッと入っていること
ではないか・・・ぼくにはそれが強く感じられました。
最後の一行、実にスッキリ爽やかです!
by song4u (2022-01-09 11:54)
雪だるまって冷凍庫に入れておくと乾燥して痩せるんだー。へぇ~。
やっぱりその場で作って、その時限りの儚い命なのね。
だからこそ価値があるのかも。
by 親知らず (2022-01-09 14:37)
女の子にも、雪だるまを通してむつみんさんご夫婦の思いが届いていることと思います。
私は夏のランチや息子さんたちのライブのときに涼しさを演出してくれた雪だるまを思い出しました☆
by れっしぃ☆ (2022-01-09 21:15)