私は職人! [仕事(焼物・美術工芸)]
この時期になると、まるごと油川お歳暮セットのぐい吞を作ったり、干支の作品作り
をしなければいけない。
夏の間は、畑に追われ、陶芸教室とパラリンピックの縄文土器を作るので精一杯
もうタイムリミットだ時間ギリギリになると、やっと腰を上げる。。。
職人スイッチが入るひたすら作り、ひたすら削る
こういうスイッチが入った時は、自分は職人だとつくづく感じる。
やる時は時間を忘れて、ひたすらやる
ぐい吞の中に入れる寅も作る。
乾かして、絵付けする。釉薬をかける。焼く。焼き上がったぐい吞に水止めをする。
すぐ焼き上げ、次男に全部は箱詰めして貰う予定だったが、三分の一失敗。
点ほどの小さい釉のげがあり、窯を出してすぐ、また焼の準備。
次男には申し訳なかったが、夕食もほどほどに窯焚きの準備に入った。
100個納品するためには、いろんな失敗を見込んで150個作らなければいけない。
60個は助かったので、次男とひげおじさんが箱詰めした。
箱代にお金を掛けたくないので、安い蓋なし雑箱を作って、見えるように透明の袋に
入れている。雑箱がカッコ悪いので、折り紙を敷き、100均の和紙風テープで縛り、
笑福寅シールを私が作って印刷し、正月らしさを演出している。
これはいかに包装代を少なくして、見栄えを良くするか考えた末の苦肉作。。。
でも手間は、ものすごく掛かるお金を掛けるが良いのか手間が掛けるのが良いのか
わからないが、私は稼げないので、手間をかけた。
何とか、間に合った
地元新聞の記事としてまるごと油川セットが載ったら、珍しく2時間で完売。。。
コロナ禍だからなのか、新聞に記事が載った所が目立ったのかは分からない。
売り切れが速過ぎて、毎年買うのに買えなかった人から「お歳暮セットを買っていて、
むつみ窯のぐい吞を集めていて、買えなかったのでぐい吞残ってませんか」と
問い合わせ電話が来た。何かとても嬉しかった
正月に喜んで、私のぐい吞で飲んでる所を、想像したら、涙が出るほど嬉しかった。
100個みんなの手に渡っても、自分の手から離れるとその後はどうなってるか見えない。
こんなもんと趣味に合わず、その辺に転がってるかもしれないと想像したりする。
100のうち1個でも、大切に扱われているとわかると、私の仕事は報われた気がする
職人という仕事はそういう小さい幸せに支えられている。